【2026年05月】チャットAIは数学で嘘を言わなくなったのか【1年前と比較】

前ページまでのあらすじ

無料AIたちの数学推論能力について,
1年前に行った検証の結果と
比較するための再検証を行っています。

問3まで終了し,残り2問です。

以下に述べる問4は,
人間ならそうそう間違えないような愚問なのですが,
1年前は高速モデル (-N) がやたらと苦戦した問いです。

1年たった今,AIたちも本問を
愚問としていっしゅうできるようになったのでしょうか?

問4

質問内容

問4は,連続関数のグラフに関する質問です。

問4

2つの連続な単調減少関数のグラフの共有点は,
最大でも1つであるという主張は正しいですか?

用語について

関数の「単調減少」は高校数学Ⅱ,
関数の「連続」は高校数学Ⅲで学ぶ内容ですが,
深い理解が必要な質問ではありません。

  • 「連続関数」は,グラフが途切れることなく
    つながっている関数。
  • ($\;y\;$が$\;x\;$の関数であるとして)
    「単調減少関数」は,$x\;$の値が大きくなるほど
    $\;y\;$の値が小さくなる関数。
    グラフが常に右下がりになる関数は単調減少関数。ℹ️️

この程度の理解で十分ですので,極端なことを言えば,
この質問に正しく答えるだけなら
中学生でも可能かもしれません。

質問の意味

例えば,次の図をご覧ください。

座標平面上に2つの曲線がありますね。
これらが関数の曲線です。

どちらのグラフも,途切れている部分はなく,
どの部分においても右下がりなので,
連続な単調減少関数のグラフです。

そして,この図を見る限り,
2つの曲線は1点で交わっていますね。
つまり,共有点が1つということです。

そこで,問4の質問です。

常に右下がりの曲線または直線になる
関数のグラフを2つ,
同じ座標平面にかいたとき,
それらのグラフの共有点は多くても1つ,
つまり0個または1個だと言えるのか?

小難しい質問に見えますが,上記のことを押さえれば,
中学生でも十分考えられる問題だと思います。

詳しくはサブ記事で

問4に関する説明や各AIからの回答,
および採点結果については,
下記のサブ記事をご覧ください。⚠️⚠️

問4 採点結果

各AIの得点

問4における各AIの得点は
次のようになりました。(※10点満点)

【今回の結果】

参加AI名問4の得点
ChatGPT-T10点
Copilot-N10点
Copilot-T10点
Gemini-T10点
MathGPT-N10点
DeepSeek-N8.5点
Claude-N6.5点
DeepSeek-T6.5点
Grok-N4.5点
ChatGPT-N3点
Perplexity-N3点
Gemini-N2.5点

【1年前の結果】(比較用)

参加AI名問4の得点
ChatGPT-T10点
DeepSeek-T10点
MathGPT-T10点
Gemini-T9点
Perplexity-T9点
Grok-T8点
Copilot-N5.5点
Claude-N4点
Copilot-T3点
Gemini-N3点
Grok-N3点
DeepSeek-N2.5点
MathGPT-N2.5点
Perplexity-N2点
ChatGPT-N1.5点

「サービス名-N」は熟考機能オフ,
「サービス名-T」は熟考機能オンです。

より正確な意味については,
当記事の2ページ目をご覧ください。

平均点

問4の平均点は次の通りです。

今回1年前
全参加AIの平均点7.04 点5.53 点
高速モデル (-N) の平均点6.00 点3.00 点
熟考モデル (-T) の平均点9.13 点8.43 点

問4 総評・所感

熟考モデル (-T) の方が成績が良い傾向は継続

1年前の検証では,高速モデル (-N) と熟考モデル (-T) で
最も平均点の差が大きかったのが問4でした。

人間なら相当油断しない限り間違えないこの愚問で,
1年前の高速モデルはまさかの全滅でしたからね。

今年はさすがにそこまで極端ではありませんでしたが,

高速モデルは取りこぼしが目立ち,
熟考モデルは安定している

という傾向は健在と言ってよさそうです。

親切心があだになっている?

この問いはもう易しすぎるかと思ったが

最初の質問に「正しい」(不正解)と答えてしまったAIは,
1年前は15モデル中9モデルもありましたが,ℹ️️
今回は12モデル中1モデルだけ( ChatGPT-N )でした。⚠️

筆者は今回,問4の質問文をほぼ同時に全AIに投じ,
各AIの回答の冒頭部分だけをざっと確認した時点では,

この問いはもう易しすぎるかな

と思いました。

誰も結論を間違えていないように見えたからです。

しかし,細かく読んでみると,
何かしらおかしなことを言っている回答の方が多いのです。

AIたちの失点パターン

問4で満点ではなかったAIたちの失点理由の多くは,
次のいずれかでした。

  • 「狭義単調減少」と「広義単調減少」の違いに
    言及した末のミス。
  • 折れ線の例を出そうとして失敗。
  • 関数に条件を付ければ問4の主張が成立するとしたが,
    条件や説明が不正。

ここでは詳細は述べませんが,全体として,
丁寧に説明しようと親切心を出したら
ボロが出たというパターンが多かったように思います。

特に Grok-N は,問4自体には完璧に答えており,
余計なことを言わなければ満点もありえたのですが。

質問者に寄り添い,

問4の主張に一理あるとすれば

と一段深く考えた末に間違ってしまったように感じました。

その心意気は素晴らしいですが,
今回はあだになってしまったでしょうか。⚠️

即答モードだと
愚問相手でも正確性を欠くAIが多い

前述の通り,問4は,
人間ならば油断しない限り間違えない愚問です。

しかも,一度は完全に間違えても,
その後の対応がまともなら3点程度得られるという,
極めて甘い採点基準です。

にもかかわらず,1年前の高速モデル (-N) は,
平均点が3点ちょうどという衝撃の結果でした。

今年の高速モデルは,明らかに改善が見られましたが,
結論は正しくとも説明が大きく乱れるケースが多く,
結局平均は6点ちょうどです。

本問の結果からも,
やはり一年前と大勢は変わらず,

現在のAIに数学で正確な回答を期待するなら,
熟考機能は必須

と言えるのではないでしょうか。⚠️

次ページの内容

この再検証も,いよいよ最後の問いとなります。

問5は,正解が直感とは異なると感じる人も
多そうな問題だと思っています。

1年前の検証では,多くのAIがその直感に引きずられたようで,
大半のAIが10点満点中1点以下という惨状でした。

AIたちは,非常に苦手だったと思われる本問を,
この1年で克服できたのでしょうか。

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