前ページまでのあらすじ
正多面体が5種類しかないことの
代数的な証明について考えています。
前ページでは,まず最初のヒントとして,
使う文字の定義とその使い方を,次のように提案しました。
正$\;p\;$面体の1つの頂点に正$\;n\;$角形が$\;m\;$枚集まるとする。
このとき,正$\;p\;$面体の頂点の数や辺の数を,
$p$,$n$,$m$ で表すことができる。
それをオイラーの多面体定理に代入する。
ヒント2 方程式の整理
正$\;p\;$面体の1つの頂点に正$\;n\;$角形が$\;m\;$枚集まるとしたときの,
正$\;p\;$面体の頂点や辺の数について考えていきます。
頂点の数
正$\;n\;$角形がバラバラの状態で$\;p\;$枚あるとき,
その頂点の総数は$\;np\;$個。
それが$\;m\;$個ずつくっついて
正$\;p\;$面体の$\;1\;$個の頂点になるので,
正$\;p\;$面体の頂点の数は,$\dfrac{np}{m}\;$個。
辺の数
正$\;n\;$角形がバラバラの状態で$\;p\;$枚あるとき,
その辺の総数は$\;np\;$本。
それが$\;2\;$本ずつくっついて
正$\;p\;$面体の$\;1\;$本の辺になるので,
正$\;p\;$面体の辺の数は,$\dfrac{np}{2}\;$本。
オイラーの多面体定理に代入して式変形
オイラーの多面体定理は,任意の多面体について,
次の等式が成り立つというものでした。
$(\text{面の数})+(\text{頂点の数})-(\text{辺の数})=2$
この式に,面の数$\;p\;$,頂点の数$\;\dfrac{np}{m}\;$,辺の数$\;\dfrac{np}{2}\;$を
代入してみます。
$p+\dfrac{np}{m}-\dfrac{np}{2}=2$
両辺に$\;2m\;$をかけて,
$\,2mp+2np-mnp=4m\,$
さて,この方程式をどうしましょうか。
いろいろな式変形が考えられます。
しかし,筆者が試した限りでは,
この等式を満たす整数$\;m\;$,$n\;$,$p\;$の値に迫れる式変形は
2通りしか見つけられませんでした。
この等式の扱いが,このテーマにおいて
最も難しいポイントだと思います。
どうでしょうか。
何か思いつくでしょうか。
次ページの内容
上で得られた方程式の解き方について考えます。
ヒントとしてはかなり強めになりますので,
なるべく自力で考えたいとお望みの方はご注意ください。