【数学教育アイデア素材】序文 | 数学を学び,学ばせるのは何のためか

ここでは,当サイトの序文として,
日本の数学教育の根本的な問題を概観し,
改善の方向性や当サイトの目指すものについて詳述します。
※長文注意

当サイトの目的は,数学で苦しむ人を減らすこと

日本人は,数学はまあまあできるが非常に嫌い

日本は,他の国と比べて,
数学の学力水準が高い方であると言われます。

その一方で,日本は,
数学が嫌いな人が非常に多いと言われます。ℹ️️

これらのことに異論のある人は少ないでしょう。

種々の学力調査やアンケート調査にも,
裏づけられていると言えます。

嫌いなのに能力は高いというのは,すごいことです。
これはひとえに,日本人の勤勉さの賜物たまものだと思います。
我が国のことながら,感心してしまいます。

しかし,だからこれでよいとは言えません。
嫌いであるのに能力を伸ばせているのは,
そこに血をくような努力があるからでしょう。

息も絶え絶えで高校数学を乗り切った後,
できればもう数学には関わりたくないと考える文系学生の
なんと多いことか。

このような現状を見かねて,
少しでも改善の足しになればと思い,
立ち上げたのが当サイトです。

当サイトに込めた願いは,次のようなものです。

  • 数学の教育水準を維持・向上させつつも,
    数学で無駄に苦しむ生徒を減らしたい。
  • 数学の学びを効率化し,
    それによって浮いた時間や気力・体力を使って,
    数学の心配をすることなく
    有意義な活動に思う存分精を出してほしい。ℹ️

この序文で主張すること

本論に入る前に,この序文の要点を述べておきます。

この序文の主な主張点

  • 日本人に数学嫌いが多いのは,
    既習事項の理解が不十分な生徒にも
    新しい理論を学ばせるからである。
  • 日本人の数学嫌いを緩和することを目的として
    数学の楽しさを伝えようとしても効果は望めない。
  • 数学を学ぶ効用は,次の4つが挙げられる。
    • 数学の理論や概念を理解し,
      問題を解決する能力を身につける。
    • 考える技術を身につける。
    • 考える姿勢を身につける。
    • 説明する技術を身につける。
  • 国民全員が身につけることが望まれるのは,
    数学の理論や概念ではなく,
    考える技術や姿勢の方である。
  • 国民全員に数学を学ばせることは妥当である。
    ただし,高校生全員に現行の高校数学を
    学ばせる必要性は感じない。
  • 高校卒業時点で,個々の生徒の数学の学習進度に
    大きな差がある状態を是とし,
    大学教育もそれを前提として行うのが望ましい。
  • 現実問題として,中高生や教育関係者は,
    多くの数学嫌いを生み出す現行の学校教育制度に
    対応しなければならない。

これらの主張を軸として,当サイトでは,
教育改革の方向性や,現行の学校教育への対応策,
その他数学教育の助けになりそうな参考情報を,
一般的な教育論から具体的な数学の話題まで,
思いつく限り取り上げていきたいと考えています。

次ページの内容

次ページより,本論に入ります。

次ページではまず,
日本人に数学嫌いな人が多い原因を分析し,
解決の方向性を探ります。

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