正多面体であるための条件は,全部必要か
多面体が正多面体であるための条件
中1数学で,多面体が正多面体であると
言えるための条件について学びます。
その条件は,次の通りです。
- すべての面が合同な正多角形であること。
- その多面体のすべての頂点に,
同じ数の面が集まっていること。 - へこみがないこと。
「へこみがない」という条件だけを除くとどうなる?
そこで1つ質問ですが,
上の (A) と (B) に当てはまるけれども (C) に当てはまらない,
つまりへこみがある多面体とはどのようなものか,
想像できますか。
もちろん,そのような多面体はあります。
もしなければ,(C) を条件にする必要はありませんから。
その答えは,おそらく教科書には載っていないと思います。
他の条件を除いた場合についても考えてみよう
同様に,次のような多面体についても考えてみましょう。
- (B) と (C) に当てはまるけれども
(A) に当てはまらない多面体 - (A) と (C) に当てはまるけれども
(B) に当てはまらない多面体
これは,研究のテーマとして考える価値があると思います。
そして,そのような例を挙げるくらいであれば,
中学1年生が考えるには難しすぎるということもなく,
ちょうどよいテーマになると思います。
ヒント
「すべての面が合同な正多角形」の条件を外すと複雑になる
ただ,難点を1つ挙げるとすれば,
「(B) と (C) に当てはまるけれども
(A) に当てはまらない多面体」については,
自力で考えるのは難しいかもしれません。
つまり,すべての面が正多角形ではあるけれども,
その正多角形が1種類ではなく
2種類以上使われているような多面体ですね。
中学生の研究としては,まず自力で考えてみて,
そのような多面体を1つか2つ思いついたら,
あとは本やインターネットで調べてみるくらいでよいかと思います。
多面体の図を用意するには
多面体について調べ,レポートを書いたりするなら,
多面体の図が欲しいと思うところでしょう。
その場合は,実際に多面体を組み立ててみて,
写真に撮るのが最も簡単だと思います。
多面体を組み立てる方法
実際に多面体を組み立てる方法としては,
次のようなものが考えられます。
- 厚紙で合同な正多角形を多数作り,
粘着テープで繋げて組み立てる。 - 針金で合同な正多角形を多数作り,
糸で結んで組み立てる。 - ストローを多角形の辺または多面体の辺に見立て,
糸で結んで組み立てる。 - 「ポリドロン」を利用する。
このテーマで自由研究をする場合の注意点
調べて分かったことを全部書こうとする必要はない
このテーマについて考えたり調べたりして分かったことを
全部レポートに書こうとすると,
おそらくレポートが長くなりすぎます。
特に,条件 (A)~(C) のうち
(A) だけを満たさない多面体は多数あり,
しかも1つ1つが複雑ですので,
中学生の研究のレベルを大きく超えてしまいます。
分かったことの中から,
特に面白いと思ったことを抜き出して
まとめるくらいの気持ちでよいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
参考になれば幸いです。