ページ内目次
$\;\small\boldsymbol{-\dfrac{3}{4}}\;$を$\;\small\boldsymbol{\dfrac{-3}{4}}\;$と書いてはいけないか
学校教育では,$\small\boldsymbol{\dfrac{-3}{4}}\;$ではなく$\;\small\boldsymbol{-\dfrac{3}{4}}\;$と書くように教えられる
学校教育では,負の数を分数で表すとき,
$\dfrac{-3}{4}\;$のような表記ではなく,
$-\dfrac{3}{4}\;$の形で書くよう指導しています。
学校教育でそう教えるからには,理由があるはずです。
どのような理由なのでしょうか。
計算途中で$\;\small\boldsymbol{\dfrac{-3}{4}}\;$や$\;\small\boldsymbol{\dfrac{3}{-4}}\;$のようになっても, $\small\boldsymbol{-\dfrac{3}{4}}\;$に直した方が良い?
中1数学の正の数と負の数についての単元で,
計算問題を次のように解いたとします。
\begin{eqnarray*}
(1)\quad\dfrac{3^2+(-2)\times 6}{6-2}&=&\dfrac{9-12}{4}\\
&=&\dfrac{-3}{4}=-\dfrac{3}{4}\vphantom{\large{\dfrac{1}{1}}}
\end{eqnarray*}
\begin{eqnarray*}
(2)\quad\dfrac{-3^2+(-2)\times(-6)}{2-6}&=&\dfrac{-9+12}{-4}\\
&=&\dfrac{3}{-4}=-\dfrac{3}{4}\vphantom{\large{\dfrac{1}{1}}}
\end{eqnarray*}
計算の途中で,(1)では$\;\dfrac{-3}{4}\;$となり,
(2)では$\;\dfrac{3}{-4}\;$となっています。
そしてどちらも,そこからわざわざ$\;-\dfrac{3}{4}\;$に書き直しています。
この書き直しは必要なのでしょうか。
これが必要ないのであれば,$\dfrac{-3}{4}\;$または
$\dfrac{3}{-4}\;$となったところで計算をやめ,
その表記のまま答えとしたいと考えるのも自然でしょう。
結論としては,$\small\boldsymbol{-\dfrac{3}{4}}\;$と書いておいた方が良いと思われる
しかし,結論としては,
必ず$\;-\dfrac{3}{4}\;$と書くようにした方が良いと思います。
計算の途中で$\;\dfrac{-3}{4}\;$または$\;\dfrac{3}{-4}\;$となった場合も,
$-\dfrac{3}{4}\;$と書き直した方が良いでしょう。
その理由としては,
数の大きさは符号と絶対値で決まるからです。
ですから,ある問題に対する答えとして,数値を書き表すときは,
できれば,符号と絶対値がよく分かるようにしたいのです。
その観点で$\;\dfrac{-3}{4}\;$と$\;-\dfrac{3}{4}\;$を比較すると,
明らかに$\;-\dfrac{3}{4}\;$の方が優れているでしょう。
$-\dfrac{3}{4}\;$と書けば,符号は負,絶対値は$\;\dfrac{3}{4}\;$であることが
はっきり伝わります。
それと比べると,$\dfrac{-3}{4}\;$の方は,
その数全体の符号や絶対値がぼやけた表記になっています。
$\dfrac{3}{-4}\;$はもっとひどいですね。
$\dfrac{-3}{4}\;$の方は,$-3\;$を$\;4\;$等分した数だと考えれば,
その数の符号や絶対値をイメージすることも
できそうな気がしますが,
$\dfrac{3}{-4}\;$は,「$\;3\;$を$\;-4\;$等分した数」ですからね。
その意味をすんなり理解できる人は少ないでしょう。
学校教育で,$-\dfrac{3}{4}\;$という表記が良いと教えているのは,
おそらく上記のような理由だと思います。
文字式でも$\;\small\boldsymbol{\dfrac{-x}{4}}\;$ではなく$\;\small\boldsymbol{-\dfrac{x}{4}}\;$と書くようにしよう
$-\dfrac{x}{4}\;$という式の値は,
負の数であるとは限りません。
$x\;$が負の数であれば,$-\dfrac{x}{4}\;$の値は正になります。
つまり,$-\dfrac{x}{4}\;$という式は,
符号が負,絶対値が$\;\dfrac{x}{4}\;$であることを
意味する表記ではありません。
ですから,上で説明したような意味では,
$-\dfrac{x}{4}\;$という表記は,$\dfrac{-x}{4}\;$という表記より
良いわけではないことになります。
しかし実際には,数学で$\;\dfrac{-x}{4}\;$の形が優先されることは
ほとんどなく,よほどの理由がない限り,
$-\dfrac{x}{4}\;$の表記が使われます。
その理由は筆者にもはっきり分かりませんが,
文字を含まないなら$\;\class{frac}{-\dfrac{3}{4}}\;$の形の方が良いが
文字を含むなら$\;\style{color: red;}{\dfrac{-x}{4}}\;$の形でもよい
などというルールにしたら,
混乱する人が続出するからではないでしょうか。
そのため,文字を含まない場合に合わせて,
$-\dfrac{x}{4}\;$という表記で
統一されているのではないかと思います。
ともかく,文字を含む分数の式であっても,
$\dfrac{-x}{4}\;$や$\;\dfrac{y}{-x}\;$などとはせず,
$-\dfrac{x}{4}\;$や$\;-\dfrac{y}{x}\;$の形で書くようにしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
参考になれば幸いです。